24歳男 何かをやらないといけないという気持ちになった朝焼け

29 6月

24歳男 何かをやらないといけないという気持ちになった朝焼け

私が24歳の頃の話です。

私は当時フリーターをやっていましたが、定期的に働くのが嫌で、短期のバイトを集中的にやって、しばらく無職でいるという限りなくニートに近い生活を送っていました。

やりたいと思うことなく、人に言えるような趣味もなく、ただただ生きていただけでした。

そんなある日、私のところに幼馴染みが遊びにきました。
そして、始めたばかりの登山の魅力について、熱く語り始めました。
昔から、感化されやすい性格だったので、私は話し半分に聞いていましたが、ある写真に興味を持ちました。

山々の朝焼けを写したものでしたが、ややピンぼけしていて、お世辞にも上手い写真ではありませんでしたが、何故か心引かれるものがありました。

そして幼馴染みに、
「この景色を見たいから、登山に連れていってくれないか」
と言いました。
幼馴染みは驚きました。
私の性格的に登山をしたいというタイプではなく、むしろ私登山している人をバカにするタイプでした。
そして私自身、自分の心境の変化に驚きました。
そのくらい、その写真には心引かれたのです。

その数日後、幼馴染みの車で夜10時に家を出発し、登山口を目指しました。
到着後、2時間ほど仮眠を取った後、山頂を目指して出発しました。

登山口からはヘッドライトを頼りに登って行きました。
夜の山は、ライト以外は真っ暗で、独特の雰囲気があり、少し恐怖を感じながらの登山となりました。

2時間ほどで、山頂の山小屋に到着し、夜明けを待ちました。
空気は澄んでいて、星も信じられないくらいきれいで、夜明けも期待できそうでした。

そして、徐々に空が白み始めました。
その光景は写真とは比べ物にならないくらい圧倒的でした。
明るくなる空や山肌が刻々と色や表情を変えていき、一瞬たりとも同じ景色ではありません。

私はただ呆然と佇み、雄大で壮大な景色を眺めていました。
おそらく人生初、そして、今までの人生の中で一番感動していたと思います。
そして猛烈に何かやらないといけない、何か新しいことを始めないといけないという思いが溢れました。

下山後、すぐに求人情報紙を買い、アルバイトを探しました。
すると、大型スポーツチェーンの求人を見つけ、私はまさに天啓だと思い、応募しました。

無事採用され、配置されたのが、登山コーナーの横のシューズコーナーでした。
暇を見付けて、登山道具の勉強をし、実際、自分で買うなどした結果、半年後に、登山コーナーを任されるようになりました。

今までとは別人のように働き続け、1年半後には、社員として中途採用されることになりました。

私の人生は、それまで無縁だった登山で見た朝焼けのきっかけに大きく変わりました。
もしあの朝焼けを見ていなかったら、私は半ニートから抜け出すことは出来なかったと思います。
まさに人生を変えた光景と言えます。

Bymu